「区長選前の2月くらいから、柿沢氏が現金を配っている、とあちこちから聞いた。区長選と同日投開票の区議選の陣中見舞いということらしいが、河井克行氏と案里氏の買収事件があったばかりで、グレーなことをするなあと思っていた。多い人は20万円もらっているという話が飛び交うくらいですから、かなり広範囲にやったんじゃないのか」

 と地元の自民党関係者はいう。

 11月に入り、特捜部は地元の区議や柿沢氏、木村氏の後援者ら10人以上を呼び、取り調べたという。柿沢氏は、区議らへの現金供与を認めた上で、「陣中見舞い」「票のとりまとめなどを依頼する趣旨ではない」などと、買収の意図については否定しているという。

「まだ取り調べがある」

 ある後援者はAERAdot.の取材に、

「カネをもらったかどうか、特捜部からかなり執拗(しつよう)に聞かれました。携帯電話のデータもとられましたよ。まだ取り調べがあるようなので口止めされており、それ以上は言えません」

 と取り調べがあったことを認めた。

 自民党の閣僚経験者は、

「このままいくと、2019年12月25日の特捜部のとんでもないクリスマスプレゼントを思い出すよな」

 と話した。特捜部はその日の朝、自民党所属で東京15区選出の内閣府副大臣だった秋元司被告を収賄容疑で逮捕した。秋元氏は一審で実刑判決を受けている(現在控訴中)。

 柿沢氏は「みんなの党」で初めて国政選挙に当選し、その後、維新や民主党など野党に足場を移しながら自民党入りした。

柿沢未途氏(右)と握手する東京都江東区の木村弥生新区長=2023年5月1日
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