中高年よテクノロジーに食らいつけ(イラスト:サヲリブラウン)

 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 ジェーン・スー講演会ツアー(と勝手に名付けました)、11月5日は大分市明野でした。ご来場いただいたみなさん、お招きいただいた大分県社会福祉協議会のみなさん、ありがとうございました。無料とはいえ300人も集まってくれたなんて、感謝感激です。

 今回は、珍しく前日に前乗りしました。大分県には10年来の友人がいるからです。長い付き合いにはなりますが、実際に会ったことがあるのは数えるほど。なぜなら、彼女とはSNSを通して知り合った仲だから。遠距離友達です。

 SNSがいまよりずっと牧歌的だったころ、ネット上では長い付き合いでも、リアルでは会ったことがない相互フォロワーが集まるオフ会なるものが盛んにおこなわれておりました。私も気軽に参加しており、そこから付き合いが始まった友人は彼女ひとりではありません。大分在住の彼女が東京に遊びにきた初めての夜は、我が家に泊まった記憶。なんと牧歌的な時代!

 彼女も私も以前ほど熱心には投稿しておりませんが、お互いの近況を把握できる程度には連絡も取りあっている。実際には会うのは5年以上ぶりながら、アップデートするのはせいぜいここ1カ月のこと。やはりSNSは便利だなと改めて思いました。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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