現役時代にミスタードラゴンズとして愛された男は長年にわたり監督就任を熱望されていた。低迷期に入っていたチームを変えてくれると誰もが思っていた。しかし結果が出ないばかりか独善的にも思える姿勢に対して周囲はシビアな見方をするようになっている。

「よほどのことがない限り来季が最終年になるのではないか。投手陣はリーグ屈指になりつつあり若手も少しずつ伸びてきている。それなりにチームに将来性を感じるようになった中で監督の評価がここまで悪くなってしまっては……。指揮官としての資質への疑問が大きいからだろう」(中日OB)

 3年契約満了をもっての退陣を予想する人は多い。土俵際に追い込まれている状況だが続投の可能性も全くゼロではないという声も聞こえる。

「立浪監督の招聘を後押しした世論の声を味方につけること。ファンを納得させる一貫性ある選手起用と勝利への執念の両方を見せる。育てようと決めた選手は信じて使い続ける。ゲームセットまで諦めずにファイティングポーズを崩さない。そういう姿勢は見ている側に必ず伝わるはず」(中日担当記者)

「勝敗は時の運で負けることもある。しかし近藤投手を晒し者にしたような、試合を諦めた戦いは絶対に受け入れられない。仮にBクラスになってもチームに変化が見えるようになれば『もう少し監督を任せたい』という声も出てくる。結果的に上位進出、優勝が見えてくれば言うことない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 今季は56勝82敗5分けで2年連続の最下位に終わったが、主催72試合の観客動員数は約218万人に達した。これはリーグを連覇した2010、11年に匹敵する数字でありファンの期待度が高いこともわかる。必要なのは今後へ向けての希望の光、勝てる可能性を感じられるかどうかだ。

「経営陣の中には観客動員増を成し遂た立浪監督を評価をする声もある。お客さんを呼べる監督は多くない中、ビジネス面を考えれば良い仕事をしている。あとは結果がついてくれば誰もが納得する」(中日担当記者)

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ファンたちの“手のひら返し”は起こるか