各地の改革を支える全国組織も

 全国各地で進んでいるPTA改革を後押しする全国組織として、全国PTA連絡協議会(全P)も立ち上がった。さまざまなサービスをPTAに提供することを目的に、今年1月に設立された一般社団法人だ。

 現在、東京都内の全ての公立小学校(1272校)、公立小中一貫校の中学校(27校)のPTA、都内各市町村のPTA連合会のほか、奈良市内の82のPTAなどが会員になっている。

 Google Workspaceライセンスの無償提供、Zoomライセンス助成事業をはじめ、PTAでもスマホを契約できるサービスを企業と連携して提供しているほか、団体総合補償制度や個人情報漏えい補償制度といったPTA活動に必須の保険も用意している。

 これらは全Pに登録した会員向けのサービスであるが、登録費や会費は無料。

 毎月開催しているミニセミナーではGoogleフォームやZoom活用術などを伝えてきた。今後は任意加入制度の運用、個人情報保護対策などを取り上げていく予定だという。

 会員登録しなくても利用できるサービスも多く、PTA活動に必要な書類、会費集金、学校への寄付・寄贈、事務の委任など、さまざまな情報を発信している。
 

全国PTA連絡協議会の長谷川浩章代表理事

「誤解されている方もいらっしゃいますが、私たちはいわゆるPTAの上部団体ではありません」

 と長谷川浩章代表理事は説明する。

「PTAが活動していくには情報共有が重要です。われわれが全国のPTAから得た知見を、会員限定でなく、できるだけ多くのみなさんに使っていただきたい」

 入退会の自由化を機に全国で進みつつあるPTA改革。時代に取り残された組織を変えようとする動きが止まることはないだろう。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)