AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:ゆっくりしようと仕事を辞めたのに、趣味や娯楽にお金を使おうと思うと、働いていないのに贅沢なんじゃないかとまったく何もできません。何もしていないとなまけていると責められる気持ちになります。これでは仕事を辞めた意味がありません。どうすればよいでしょうか。(女性/無職(元看護師)/50歳/みずがめ座)
A:占いの個人鑑定をやっていた時に、看護師さんのお客さんが何人かいたんですが、すごく印象に残っています。他の職種の人と雰囲気が違って、気配の読み合いみたいな感じでテレパシーのような会話で通じ合えて、嬉しかったですね。きっと普段のお仕事の中で、おもてには表れない患者さんの体調の変化とか、声にならない叫びみたいなものを感じ取っているからだと思います。すごいお仕事だなと尊敬しています。
看護師さんの相談で多かったのが、転職の相談やのんびりしたいという相談でした。激務で辞めたいんだけど使命感で辞められないとか、ゆっくりしたいけど仕方がわからないとか。相談者さんの場合、踏ん切りをつけて次のステップに移られたということなので、その勇気をまずはたたえたいと思います。
看護師さんだけに限らず、「ゆっくりできない問題」を抱えている人は多いかもしれません。これに対して僕が思うのは、「自分が知っている街では、人はゆっくりすることができない」ということ。
だから、ゆっくりしたいと思ったら僕は知らない街に行きます。できれば飛行機か新幹線に乗って、物理的に遠く離れる。東京からなら、例えば仙台を越えたあたり。何かが起こったとしても「もうここまで来たら帰れない」というあきらめが生じる距離が大事なんです(笑)。仙台だとすぐ帰れちゃうから。