Minamiこども教室で子どもたちに接していると、他の子との「違い」についての否定的な言葉をしばしば耳にする。

 フィリピンと日本のルーツをもつ、ある女の子は、「自分がフィリピン人でもあるっていうのが嫌。私も普通の日本人やったらよかったのに」と口にした。フィリピン出身である母親の仕事が安定せず、生活が荒れるなかで、そのしんどさを自身のフィリピンルーツに対する嫌悪感へと転換してしまっているようだった。

 東南アジアにルーツをもつ女の子たちは、日焼けを過度に気にしていた。彼女らにとって焼けた肌の色は、隠そうとしてきた「ルーツに基づく違い」を際立たせてしまうものとして意識されているようだった。

 苦い経験がある。私が教室でボランティアを始めて少したった夏休み、フィリピンにルーツをもつ女の子二人が、日焼けした腕を出しながら「どっちが白い?」と私に聞いてきた。

 私は特に何も考えず、デスクワークばかりで外に出られない自分の腕を見せて「おれの方が白いかも」と返事をした。二人のうち一人がすかさず「そら日本人やからな!」と言った。私はとっさに何も言葉を返せず、自分の浅はかな発言を深く後悔した。

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別に珍しくないのになって……