世界と比べて女性議員の比率が低い日本。世界経済フォーラムの2023年「ジェンダーギャップ報告書」によると、政治分野は146カ国中138位と下から8番目だ。自民党女性議員はこの現状をどう見ているのか。小塚かおる氏の新著『安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ 「強権政治」との10年戦争』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。
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自民党内にも伝統的家族観に固執することは社会が多様化している今の時代に合わず、弊害ばかりが顕著になっていくことを理解している男性議員はいる。しかし、安倍政権時代に強まった保守化傾向に選挙対策も絡み、議員は声を上げない。「女性は家庭」が当たり前で育った世代が党内で実権を握り続けていることも自民党の古さの一因だ。
そして、自民党で意識改革が広がらないのは、女性国会議員の少なさと相関関係があると私は考える。
内閣府の男女共同参画局が2023年8月にまとめたところによれば、女性国会議員は、衆議院が464人中48人、参議院は247人中66人。衆参合計114人だ。比率にすると、衆院は10.3%、参院は26.7%で、衆参合わせて16.0%である。