一連の流れの中で、特にがっかりさせられたのは、内閣改造後の記者会見で、岸田首相が女性閣僚について「女性ならではの感性や共感力を十分発揮していただきながら、仕事をしていただくことを期待したい」と発言したことだ。自民党の古い“オッサン政治”の本音が出てしまった。岸田首相本人はその「違和感」を、何ひとつ感じていない。
少なくとも言えることは、安倍政権以降で多用されている「女性を活用する」だの、「組織の何割を女性にする」では、所詮それを言い換えるならば「あくまでも男性が中心で上に立って、上から目線で女性にポジションを与えてやること」でしかない。
そうした「男目線」を跳ね返し、本当に女性が力を発揮する社会を実現するための象徴は、やはり女性が名実ともにトップに立つこと、要は、「女性首相」を誕生させることしかないのかもしれない。