稲田朋美衆院議員がゲンダイのインタビュー(2020年1月23日発行)で語ったエピソードがわかりやすい。地元(福井)はとりわけ保守的だと前置きして、こう続ける。

自民党が強い地域なんです。年末年始に帰ると、政治的な集会で私の話を聞いている人はほぼ男性。女性は賄いをしているんですね。集会の半分くらいを女性が占め、男性もエプロンをかけて豚汁を作ったりする。そういうふうに風景を変えたいと思うんです。(中略)女性活躍にしても、現状の固定的な雇用制度では難しい。雇用改革に切り込み、日本の生産性を引き上げ、財政再建にもつなげていく。日本の風景を変えるキーワードが女性活躍なんだと考えるようになりました」

 国際社会からの厳しい視線もあり、23年9月の第2次岸田文雄再改造内閣で、過去最多タイの5人の女性議員が閣僚に起用された。閣僚枠の19人から考えれば、もっと女性大臣が増えていいし、これが一時的ではなく、女性大臣が半数ぐらいいるのが当たり前の光景になって欲しい。

 しかし、閣僚に続く副大臣・政務官人事では、計54人のすべてが男性議員で女性議員はゼロになってしまった。岸田首相は「チームとして人選を行った結果だ」と強弁したが、こうなると過去最多タイの女性閣僚も、宣伝効果を狙っただけの「数ありき」だったと自ら暴露してしまったようなものだ。

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自民党の古い“オッサン政治”の本音