女性が閉経を迎える年齢は、日本人では平均50.5歳。閉経の前後5年が“更年期”とされているので、45~55歳あたりが日本人の“更年期”の平均と言えるが、つまり、閉経を迎えてみないといつからが更年期だったのかはわからないのだ。そのため、自分では気付きづらく対策しづらい。「更年期の波を穏やかに乗り越えていくためには、自分が更年期について理解するだけでなく、家族のメンバーにも、更年期とはどういうものかを知ってもらうことが大事。」と、医学博士で産婦人科専門医の高尾美穂氏は語る。同氏の新著『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、再編集し、“更年期”にまつわる大切なことについて紹介する。
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「イマイチな状態」、我慢しないで
更年期というと、なんとなくからだの調子もこころの調子もよくなくて、「イマイチな状態」が続く時期というイメージがあると思います。
私たちが更年期を迎える前に、更年期について学ぶ機会はほとんどありません。自分でわざわざ調べたり、なんらかの理由で婦人科にかかったときにたまたま聞いたりしなければ、それとは気づかないまま、この時期に突入していきます。