翌2019年は7人もの高卒ドラ1が誕生したが、2018年以上に明暗がはっきり分かれている印象を受ける。きわめて順調なのが宮城大弥(オリックス)と佐々木朗希(ロッテ)の2人だ。宮城は2年目、佐々木は3年目から先発ローテーションに定着。今年は揃ってワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場し、チームの世界一にも貢献した。このオフに山本由伸(オリックス)のメジャー移籍が実現すれば、来季はこの2人がパ・リーグの投手タイトル争いの中心になる可能性も高い。

 この2人ほどではないが、飛躍を感じさせるのが西純矢(阪神)と石川昂弥(中日)の2人だ。西は層の厚い投手陣の中で昨年は6勝、今年も5勝をマーク。石川も怪我の長期離脱を乗り越えて今年は初の二桁ホームランを放った。来季はさらなる飛躍が期待される。一方で苦しんでいるのが奥川恭伸(ヤクルト)、堀田賢慎(巨人)、森敬斗(DeNA)の3人だ。奥川は2年目に9勝をマークしたものの、その後は故障で長期離脱。今年は一軍登板なしに終わった。堀田と森も昨年は一軍でそれなりの結果を残したものの、今年は再び二軍暮らしの日々となっている。来年入団してくる大学卒の選手は同級生となるだけに、何とかプロの先輩としての意地を見せたいところだ。

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で春夏の甲子園が中止になった影響もあってか高卒ドラ1は3人と少なかったが、プロ入り後は順調な成長が目立つ。まず高橋宏斗(中日)が2年目の昨シーズン、ローテーション入りを果たし、今年3月のWBCにも最年少で出場。シーズンでは7勝11敗と負け越したものの、規定投球回に到達してリーグ7位の防御率をマークするなどさらなる成長を見せた。

 今シーズン、そんな高橋以上に強烈なインパクトを残したのが山下舜平大(オリックス)だ。山本、宮城がWBCに出場した影響でプロ初登板が開幕投手という大役を任せられて6回途中1失点と好投すると、その後も安定したピッチングを披露。シーズン終盤に故障で離脱したものの、16試合に登板して9勝3敗、防御率1.61という見事な成績を残した。今後も高橋と山下のハイレベルな出世争いに期待だ。唯一の野手である井上朋也(ソフトバンク)も3年目の今シーズンはプロ初ホームランを放ち、クライマックスシリーズでもスタメンに抜擢されるなどブレイクの兆しを見せている。来季はさらなる飛躍を目指してもらいたい。

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昨年ドラフトからはセ・リーグの野手2人が順調に成長