10月26日に迫ったプロ野球のドラフト会議。今年も多くの候補選手が話題となっているが、プロ野球の世界で最高のエリートと言えるのは高校からドラフト1位で指名された選手である。現在メジャーリーグで活躍している日本人選手を見てもダルビッシュ有(パドレス)、前田健太(ツインズ)、菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)、藤浪晋太郎(オリオールズ)が高校から1位指名を受けてプロ入りした選手である(前田健太は高校生ドラフト1巡目)。ただその一方でプロ入り後に苦しんでいる選手がいるのも確かだ。そこで改めて、過去5年のドラフトでプロ入りした“高卒ドラ1”の現状を探ってみたいと思う。
2018年は高校生の野手に人気が集中したが、その中で最も結果を残しているのは小園海斗(広島)になるだろう。3年目からは2年連続で規定打席に到達して100安打以上をマーク。今年は少し出遅れて3年ぶりに規定打席には届かなかったものの、夏場以降に大きく成績を伸ばして攻守にチームを牽引している。守備に関しては年々安定感が増しており、今年は長打率が4割を超えるなどパンチ力も大きな魅力だ。セ・リーグの若手ショートの中では頭一つ抜けた存在と言えるだろう。
ただ、この年は小園以外の選手については苦戦が目立つ結果となっている、小園と同じく最多となる4球団競合指名を受けた根尾昂(中日)は起用法が一定せずに投手に転向。今シーズン終盤にようやく一軍で好投したものの、主力に定着するにはまだ時間がかかる印象は否めない。3球団競合指名を受けた藤原恭大(ロッテ)も好不調の波が激しく、レギュラー獲得には至っておらず、太田椋(オリックス)も一軍定着を果たせていない。甲子園のスターだった吉田輝星(日本ハム)も昨年は51試合に登板して飛躍を感じさせたが、今年はわずか3試合の登板に終わった。もう期待の若手と言われる時期は過ぎているだけに、小園以外の4人は来季が正念場のシーズンとなりそうだ。