2021年は投手に注目が集まり、4人の高校生投手が1位指名で入団したが、現時点でトップを走っているのは捕手である松川虎生(ロッテ)だ。プロとアマチュアの差が最も大きいと言われるポジションでありながら、1年目から一軍で76試合に出場。今年は育成目的でシーズンの大半を二軍で過ごしたが、わずかな一軍出場でも存在感を示している。守備の評価は既に十分高いだけに、打撃でさらなるレベルアップを目指してもらいたい。一方の投手は森木大智(阪神)が1年目に二軍で順調なスタートを切ったように見えたが今年は成績を落とし、小園健太(DeNA)も登板機会は増えたものの成績は残せていない。そして風間球打(ソフトバンク)、達孝太(日本ハム)の2人はさらに時間がかかりそうな印象は否めない。3年目の来シーズンは将来を考えても極めて重要なシーズンとなるだろう。
昨年は4人の高校生が1位で指名されたが、極めて順調なスタートを切ったのが浅野翔吾(巨人)と松尾汐恩(DeNA)の2人だ。浅野は開幕当初こそ二軍でも苦しんでいたが、徐々に対応力を発揮して夏場以降は一軍に定着。早くもプロ初ホームランを放つなど10安打をマークしたのだ。この勢いで来季は一気にレギュラー定着を狙いたい。
松尾も一軍出場はなかったものの、二軍でチームトップの打席数を記録し、打率.277、7本塁打と見事な成績を残した。積極的に打つスタイルという理由もあるが、三振数もわずか33と少ないところにポテンシャルの高さがよく表れている。守備面でも高校卒1年目とは思えない落ち着いたプレーを見せており、将来の打てる捕手として期待は高い。残る2人の斉藤優汰(広島)とイヒネ・イツア(ソフトバンク)は主に体作りのシーズンとなったが、斉藤はシーズン終盤に二軍で150キロを超えるストレートをマークするなど大器の片鱗を見せている。来季は実戦経験を増やして、前を行く2人を追いかけたいところだ。