巨人・原辰徳監督が今季限りでグラウンドを去った。任期途中での退任となったが「夢の途中」を感じさせる爽やかな姿が印象に残った。
原監督は3年契約の2年目終了時点ながら退任、阿部慎之助新監督が誕生した。2年連続Bクラスの責任を取る形で自ら身を引くこととなった。
「続投が基本路線だった中、世論の逆風が想像以上に強かった。生え抜きの若手選手が育ちつつある中、来季は良い勝負ができると思っていただけに残念」(巨人OB)
「投手は戸郷翔征、山崎伊織の2枚看板ができた。野手も秋広優人、門脇誠、中山礼都らが成長している。球界を代表する打者になった岡本和真、ベテランの菅野智之、坂本勇人などが奮起すれば来年は優勝争いに絡む可能性は高いと思っていたが……」(在京球団編成担当)
9月29日のオーナー会議後に山口寿一オーナーが「来季のことは真剣に考えなきゃいけないと思っています」と発言してから退任へ向けての流れが加速。任期途中、当時の渡辺恒雄オーナーの鶴の一声がきっかけで退任した第一次政権を思い出させた。
巨人監督史上トップの1291勝、リーグ優勝9度、日本一にも3度輝いた名将。3度目の監督となる今回も任期途中での退任となったが、「一点のくもりもございません」と清々しく語り暗い雰囲気は一切なかった。
「ソフトバンクに日本シリーズで2年連続4連敗を喫した直後はリベンジへの強い姿勢が見えた。しかし最近はそういう言動も影を潜めてるようになった。契約途中での退任は次なる目標を見据えているからではないか」(原監督を以前から知るスポーツライター)
2019、20年の日本シリーズで巨人はソフトバンクに苦汁を飲まされた。その後の2シーズンはリベンジすべく臨んでいたが、東京を本拠地とするライバル・ヤクルトに2年連続でリーグ優勝を明け渡した。2021年オフに3年契約を結んでいたが気持ちに変化が生じた可能性もある。
「噂にあがる侍ジャパン監督へ再登板の可能性は捨てきれない。野心家と言われる原監督がこのままで野球人生を終えるはずがない。今後、汚名返上の機会があると踏んだから任期途中での退任も受け入れたのでは」(巨人OB)