AERA 2023年10月9日号より(写真:ウェルネス総合研究所提供)

 まずはヨーグルトから。「腸にいい食品」というイメージが強いが、どのヨーグルトも健康効果は同じかといえば、そうではないという。

「乳酸菌、ビフィズス菌など含有している菌の特性によって健康効果は変わります」(浅野さん)

 実はヨーグルトには、「乳酸菌のみのヨーグルト」と「乳酸菌+ビフィズス菌入りのヨーグルト」があり、健康コスパに差があるという。乳酸菌、ビフィズス菌のいずれも整腸作用が期待できるのは同じ。だが、「乳酸」を作り出す乳酸菌は主に小腸で作用するのに対し、ビフィズス菌は主に大腸で働き、乳酸だけでなく、短鎖脂肪酸の一つである「酢酸」を作り出す。酢酸は口から摂取すると胃腸で消化吸収されてしまうが、ビフィズス菌により大腸で生み出すことで「酢酸」が大腸で腸内環境改善に効果を発揮する、と浅野さんは強調する。

「腸活」に効果的なのは

「通常、『腸活』と言われているのは大腸の腸内細菌を整えることを指しています。ビフィズス菌を摂取すると、大腸で新しい栄養素が生まれ、乳酸菌単体よりも効果的な働きをしてくれます」

 ビフィズス菌によって作られる短鎖脂肪酸は大腸のぜん動運動を活発にするほか、脂肪の蓄積の抑制や肥満、糖尿病の予防への効果が期待できる。また、免疫機能にも関与している。したがって、「乳酸菌+ビフィズス菌入りヨーグルト」のほうが、「乳酸菌のみ」より健康コスパは高くなる、というわけだ。「ビフィズス菌入り」のヨーグルトは、たいてい商品パッケージの目立つ位置に大きく表示されている。このため菌の効能に関する知識さえあれば、容易に違いを見極められるのがうれしい。

 次に、ツナ缶とサバ缶を比較しよう。魚の缶詰の中でも使い勝手のいいツナ缶とサバ缶は好みやメニュー、価格でなんとなく選んでしまうことが多いが、これも栄養価で見ると意外に大きな差があるという。

大きな差はないけれど

 ツナ缶(びんながマグロ水煮フレーク)とサバ缶(水煮)を100グラムあたりで比べると、DHA(ドコサヘキサエン酸)はツナ缶が440ミリグラム、サバ缶は1300ミリグラムと、サバ缶が約3倍。EPA(エイコサペンタエン酸)はツナ缶110ミリグラムに対し、サバ缶が930ミリグラムと、サバ缶が8.5倍も多い。DHAやEPAは生活習慣病や動脈硬化、認知症の予防などに効果が期待できる。浅野さんは言う。

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