プロ野球の試合をスタンドから観戦した経験があるファンはご存じだろう。外野席でトランペットを吹いたり、太鼓をたたいたりして応援をリードしている私設応援団が各球団にいる。特別応援許可団体の「中日ドラゴンズ応援団」で団長を務める天野浩智さん(33)は鉄道業界に勤務している。私設応援団の内情を聞かせてもらうと、驚きの日常を語ってくれた。
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――天野さんが中日の私設応援団員になった経緯を教えてください。
私は東京で生まれ育ちましたが、1990年代後半の星野仙一監督時代からドラゴンズファンになって。熱い球団で選手も応援も大好きになりました。関東はもちろん本拠地の名古屋や全国の外野席に応援に通っていたのですが、応援団の方に「入りませんか?」と誘っていただき、2017年に入団しました。応援団歴は7年目になります。
――お仕事もしながら、応援団員として活動するのは大変だと思いますが。
関東在住なので、名古屋、大阪で試合が開催される場合は長距離バスや飛行機を利用して移動しています。お金を浮かせたい事情もあるので、新幹線はほとんど利用しないです。翌日がデーゲームの場合は仕事を終えて、自宅に戻らず深夜の夜行バスや夜行列車の中で寝て移動します。仕事の都合で、試合後にまたすぐにバスで関東に戻る時も珍しくありません。現地に滞在している時間より、バスに乗っている時間のほうが長いこともあります。また、広島、札幌、福岡で試合が開催される時は、成田空港に発着している国内LCC(格安航空会社)を利用しています。他の団員も私と同じような移動手段が多いです。「青春18きっぷ」を利用して東京から福岡に移動した団員もいます。