問題は投手陣だけではない。計164本塁打はリーグ断トツトップだが、チーム総得点はリーグ3位の519得点。得点圏に走者を送っても得点が入らない場面が目立ち、好投手を相手に何度も封じ込まれる。1点をいかに取るかという観点でベンチワークに疑問が残った。
「首脳陣、スコアラー、選手の意思疎通が大事になってくる。チームの雰囲気をガラッと変えられる指揮官として、巨人OBで元DeNA監督の中畑清氏を検討してもいいのでは。阪神は65歳の岡田彰布監督が就任して18年ぶりにリーグ優勝を飾りましたし、無理に若返りにこだわる必要はない。69歳と高齢ですが1、2年の短期契約で監督のオファーが来たら、一肌脱ぐと思いますよ」(スポーツ紙デスク)
中畑氏は2012年からDeNAの初代監督に就任。4年間全てのシーズンでBクラスに終わったが、筒香嘉智(現ジャイアンツ傘下3Aサクラメント)、梶谷隆幸(現巨人)ら若手を辛抱強く起用し続け、新人の山崎康晃を守護神に抜擢するなど育成手腕が光った。また、低迷期で本拠地・横浜スタジアムのスタンドがガラガラだった状況を変えようと、積極的にメディアに発信。DeNAのみならず、プロ野球界を盛り上げる発言は新聞やテレビで連日報じられ、横浜スタジアムも大観衆が集まる人気球団に変貌した。
また、スポーツ紙の遊軍記者は「勝つチーム作りに特化するなら、落合博満さんでしょう。中日の監督で黄金時代を築いた実績は申し分ない。投手陣は絶大な信頼を寄せる森繁和さんに託し、ベテランと若手が融合したスキのないチームを作ると思います。渡辺恒雄代表取締役主筆の評価が高かったし、現役時代に巨人で3年間プレーしたキャリアもある。中日では守り勝つ野球に特化しましたが、巨人でどのような野球を目指すのか興味深いです」と指摘する。