かつてのようにFAで他球団のスター選手や新外国人選手を補強して、勝てる時代ではない。巨人も近年はFA補強に頼らず、生え抜きの若手を育てる方針にシフトしているが、投打がかみ合わずに結果が出ない。V逸の大きな要因になっているのが、脆弱な救援陣だ。今季は8回にロペス、9回に大勢で「勝利の方程式」を描いていたが、開幕早々にロペスが結果を残せずファーム降格。大勢も右上肢のコンディション不良で7月から2カ月以上戦線離脱した。9月16日に1軍復帰したが、3試合の救援登板で計5失点と本来の調子に程遠い。
ただ、主力リリーバーの離脱は巨人だけに起きているアクシデントではない。湯浅京己(阪神)、栗林良吏(広島)、山崎康晃(DeNA)と上位3球団も守護神が不調の誤算に見舞われたが、救援陣を再整備している。
「巨人は質、量共に救援陣が他球団に見劣りする。能力の高い若手投手はいるのでもったいなく感じます。投手陣の再建が急務なチーム事情を考えると、ソフトバンクの監督で黄金時代を築いた工藤公康氏、巨人の投手陣に精通している桑田真澄ファーム総監督が有力候補になる。個人的には桑田監督を見たいですね。投手だけでなく、野手の動きにも目を配り洞察力が凄い。野球理論に精通し、コンディションを重視して酷使するような起用法をしないので投手陣の信頼も厚い。桑田監督の下でコーチ陣も刷新し、上原浩治、高橋尚成、高橋由伸などOBを集めて再スタートを切ったらファンの熱が高まりますよ」(民放テレビ局関係者)