東洋大・細野晴希(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 今年のドラフト会議まであと1か月を切った。ここからスカウト会議の機会も増え、候補選手を絞り込んでいくことになるが、各球団が狙うべき選手をチーム事情などから探ってみたいと思う。今回はパ・リーグBクラスの3球団だ(9月28日終了時点)。

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【ロッテ】

 シーズン終盤に失速してAクラス入りが微妙な状況のロッテ。大きな課題となっているのはやはり長打力不足だ。将来の中軸候補として期待された安田尚憲、藤原恭大がなかなか思うような成績を残せず、昨年ブレイクした山口航輝もさらなるステップアップは果たせていない。これは今に始まったことではなく、日本人選手で30本塁打以上を放ったのは1986年の落合博満(50本)が最後である。安田、山口に危機感を与える意味でも大砲候補をまず狙いたい。最有力候補はもちろん佐々木麟太郎(花巻東)だ。

 ただ佐々木が進学を希望する可能性もあり、また抽選で外すことを考えると次の候補も考えておきたい。佐々木と同じ高校生なら真鍋慧(広陵)、明瀬諒介(鹿児島城西)の2人が候補になる。ともに身体的なスケールも飛ばす力も高校生では佐々木に次ぐ存在だ。また大学生なら東京六大学で通算19本塁打を誇る広瀬隆太(慶応大)を狙うという選択肢もあるだろう。

慶応大・広瀬隆太(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 スラッガータイプの選手以外では左の本格派、リリーフ投手、中村奨吾の後継者となるセカンド候補などが補強ポイントとなる。どこを優先するかは難しいところだが、今年は投手が豊作なため、積極的に狙うべき存在は多い。左の本格派で2位以降で狙えそうな選手としては東松快征(享栄)、古謝樹(桐蔭横浜大)、高太一(大阪商業大)などが候補となる。24歳以下の支配下左腕が秋山正雲しかいないことを考えると高校生の東松が残っていればぜひ狙いたい。リリーフタイプでは木村仁(九州共立大)が面白い。チームでは先発だが、立ち上がりからエンジン全開で投げられ、短いイニングなら球威で圧倒できるだろう。

 また完全なスラッガータイプではないが、度会隆輝(ENEOS)を真っ先に獲得してセカンドとして育てるというのも選択肢の一つとして面白そうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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