【ハーツクライ産駒のクラシックホースが追加登録】
続いて紹介するのは、日本に所縁の血統を持つ馬。今年の欧州競馬ではディープインパクト産駒のオーギュストロダンが英ダービーと愛ダービーを制し、9月にはアイリッシュチャンピオンステークスも勝ったが、残念ながら凱旋門賞には出走しない。その代わりというわけではないが、同じエイダン・オブライエン厩舎からハーツクライ産駒のコンティニュアスが凱旋門賞に出てくる。
コンティニュアスは6月の仏ダービーこそ8着に終わったが、8月に英G2グレートヴォルティジュールステークスを勝つと、9月にはG1英セントレジャーを制してクラシックホースとなった。凱旋門賞に出るためには12万ユーロ(約1900万円)の追加登録料が必要だったが、陣営はそれを飲み込んで参戦に踏み切っている。勢いと勝負度合いは十分だろう。
この馬の死角は、英セントレジャーから凱旋門賞というローテーションはデータ的に厳しいこと。過去10年で凱旋門賞3着以内の好走例は、英セントレジャー勝ちから凱旋門賞3着だった2021年のハリケーンレーンしかない。ちなみにハリケーンレーンは愛ダービー、パリ大賞、英セントレジャーとG1を3連勝していたように、凱旋門賞前の実績でコンティニュアスを大きく上回っていた。しかも今年は例年なら英セントレジャーから中2週の凱旋門賞が中1週という逆風も吹いている。
【大本命は無敗の仏ダービー馬】
大手ブックメーカーが揃って1番人気に推している本命馬は、仏ダービー馬のエースインパクト。デビュー4連勝で仏ダービーを制すと、8月には仏G2ギヨームドルナノ賞も勝って5連勝といまだ底を見せていない。
同馬を管理するJC.ルジェ調教師は、2019年の仏ダービー馬ソットサスで同年の凱旋門賞を3着。翌20年にソットサスで凱旋門賞を制した。また昨年の仏ダービー馬ヴァデニも愛チャンピオンS(3着)から凱旋門賞2着と好走。仏ダービー馬での凱旋門賞挑戦のノウハウを熟知している。前走からやや間隔が開いたが、同時期のヨークシャーオークスや英インターナショナルステークスから凱旋門賞を制した例は少なくない。今年の凱旋門賞はこの馬を中心に展開するだろう。