今年の凱旋門賞を制するのは?※画像はイメージ(ロイター/アフロ)

 今年も欧州競馬の大一番、凱旋門賞(日本時間10月1日23時05分発走)が目前となった。今回は有力馬たちをピックアップし、レースを展望してみようと思う。

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【日本からはスルーセブンシーズが単騎参戦】

 まず最初は日本馬から。4頭が挑戦した昨年から一転して、今年はスルーセブンシーズの単騎参戦となった。スルーセブンシーズのアピールポイントは主に2つ。ナカヤマフェスタとオルフェーヴルで凱旋門賞2着3回と抜群の実績を誇るステイゴールドの血を引くこと(父ドリームジャーニーはステイゴールド産駒にしてオルフェーヴルの全兄)と、今年のワールドベストホースランキングでトップを維持し続けている最強馬イクイノックスと宝塚記念でクビ差2着の大接戦を繰り広げたことだ。

 イクイノックスの世界的高評価の理由は、3月のG1ドバイシーマクラシックで2着のウエストオーバーに3馬身半差の圧勝を収めたこと。そのウエストオーバーは昨年の愛ダービー馬で、今年は仏G1サンクルー大賞を勝ったほか、英G1コロネーションカップと英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでいずれも2着と安定した成績を残している。

 つまりイクイノックスとウエストオーバーを物差しとすれば、スルーセブンシーズは欧州トップクラスと互角以上に渡り合えるとも言えるわけだ。

 ただしスルーセブンシーズの評価を下げるべき理由がいくつか存在するのも事実だ。まずはG1をいまだ未勝利なこと。日本から挑戦して凱旋門賞で4着以上と好走した4頭(前述の2頭に2着のエルコンドルパサーと4着のキズナ)は全てG1馬だった。G1未勝利で凱旋門賞に出走した日本馬は、近年ではサトノノブレス(16着)、クリンチャー(17着)、ディープボンド(7着、18着)、ステイフーリッシュ(14着)と惨敗が続いている。

 また6月25日の宝塚記念からのぶっつけ本番というローテーションもデータ的には割引材料。過去10年の凱旋門賞で3着以内の馬たちは全て8月以降にレースを使っている。7月末のキングジョージからの参戦でさえ結果が出ていない以上は、約3カ月の休み明けで初の海外遠征は不安が残ると言わざるを得ない。

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日本に所縁の血統を持つ馬も