警戒心が薄い「ニコ」は、すぐに私たちに体を触らせてくれて、まばらだった毛も綺麗に生えてきました。そんな「ニコ」に夫がメロメロになってしまいました。朝、「ニコ」が香箱座りをしていると、夫が四つん這いになって近づき、「ニコ」の鼻を指でツンと触り、「おはよう」とおやつをあげたりする。

 夫は184㎝あるのですが、大きな男性がわずか2.7㎏のにひざまずいているその光景が微笑ましく、思わず友人にも写メを送ってしまいました。

ニコにおやつをあげるご主人。大男ですが、小柄なニコにあわせて跪きます

 猫たちが来てからというもの、夫との会話も増えました。猫たちに向かって、「君たちは話題の中心だね」と夫がにこやかに言う。そして「ニコ」には「君は本当に可愛いね」と。そこは「レオ」も含め、て「君たちは」と言ってほしいですけどね(笑)。

額の模様が少し違うニコ(左)とレオ。「本当にかわいい」姉妹です

伸び伸び過ごしてくれれば、母さんは幸せ

 とにかく、友人たちのおかげで無事に保護できた2匹ですが、私自身の気持ちも晴れて、暮らしが豊かになりました。母さんとして、子育てをもう一度している感覚もありますね。

 息子と娘が独立し、4年前から夫と二人暮らしになりました。夫の帰りが遅いと私は一人で夕食を食べます。特にそれを寂しいと感じたことはなかったのですが、今は食卓の椅子に座ると、前の席に「レオ」が、横の席に「ニコ」が座って、私をじーっと見るのです。和室にいる時も、小さな机のそばに2匹が来て、私をじーっ。すごく圧が強いけど(笑)、うれしくて。友人に電話をして「うちのニャンズが今日ね」なんて、長々報告することもあります。

良いことを待つレオとニコ。いつも手前にニコがくるそう

「レオ」と「ニコ」が来てくれたからよかったんです。

 実は、昨年のお盆前に初めて見かけながら、帰省でタイミングが合わず会えなくなった後、保護できなかったことでもやもやとした後悔のような、自分を責めるような気持ちをひきずってしまいました。車も多く通る界隈だったし、もしかして……と想像して落ちこむこともありました。

   あの時すぐに駐車場に駆け付けてくれた友人と共に、保護犬や保護猫の譲渡会に何度か行ってみました。でも、いいご縁がなかったし、私の心にはずっと、「あの子たちどうしているか」という思いが生き続けていたんです。

シンクロでふりかえるレオとニコ。やっぱり姉妹ですね

 だからこそ今、再会できた「レオ」と「ニコ」が家にいてくれることがありがたい。野良として大変な経験をしてきたのだろうから、これからは安心して過ごしてほしい。もちろん「レオ」と「ニコ」と本格的にもっと仲良くなって一緒に寝たりもしたいけど、とにかく彼女たちが好きなように、伸び伸びと過ごしてしてくれれば、それで母さんは幸せです。

仲良く一緒に眠るレオとニコ
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