aさんは、深い考えがあってキッズモデルたちの撮影会に参加したわけではない。ただ、撮影会の前に、障害やその特性について、自分なりに調べてみたという。
「知ろうとしてから子どもたちとかかわるのと、知らないままかかわるのは全然違うんじゃないかなって。知ろうと努力することで、助けたり、助けられたり、そんな関係ができるのかもしれないって思ったんです」
撮影した男の子とは、会話はできなかった。でも、別の機会に会った時に、aさんの手をずっと握ってくれたそうだ。
「頑張り屋さんだってことも、すごく伝わってきました」
* * *
病気や障害とともに生きる2人。「自分の影みたいなもの」と島崎さんは話すが、その日常はこれからも続いていく。
自分という存在を通じて、同じ境遇にいたり、ハンディに苦しんでいたりする人の助けになれれば。病気や障害を知ってもらうことで、少しずつでも社会が変わっていけば。
まだ19歳の彼女たちは、そんな思いで筆者に話をしてくれた。
なんで自分は「普通」じゃないんだろうー。
そんな生きづらさを感じながら生きてきた島崎さんとaさん。撮影会で何を経験できたかと聞くと、同じ“気づき”を言葉にした。
「人って、それぞれが違ってていいんですよね」
(AERA dot.編集部・國府田英之)