その一方で、大学で苦しんでいる選手も少なくないが、代表格がともに早稲田大に進学した飯塚脩人(習志野→早稲田大・投手)と清水大成(履正社→早稲田大・投手)の2人だろう。飯塚は3年春にセンバツ準優勝を果たし、U18W杯では抑えとして活躍。清水も3年夏にエースとして甲子園優勝を経験している。しかしともに大学では故障やフォームを崩したことでなかなか結果を残せず、現在の主戦はスポーツ推薦での入学ではなかった加藤孝太郎(下妻一)が務めている。飯塚、清水ともに卒業後の進路は未定だが、高校時代の輝きを取り戻してもらいたいと願っているファンも多いだろう。
高校からプロ入りするか、大学や社会人を経由するかという点については正解のない問題だが、その選手に適した進路やプロ入りするタイミングというのは間違いなくあることは確かである。不本意な形で結果を残せずに後悔することなく、納得のいく形で進路を選べる選手が一人でも多くなることを望みたい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。