あと約1カ月に迫った今年のドラフト会議。高校生の目玉である佐々木麟太郎(花巻東)は現時点でプロ志望届を提出しておらず、日本だけでなくアメリカの大学への進学も選択肢に入っていると報道されている。結論は提出期限となる10月12日のギリギリまで出ないと見られており、指名を検討している球団にとっては悩ましい日々が続くことになりそうだ。
これまでも佐々木ほど高い評価を得ていなくても、高校の時点でドラフト指名が有力視されながら進学を選択するケースは少なくない。しかし大学や社会人で思うような成長が見られず、苦しむ選手が多いことも確かだ。そんな中でも高校時代をさらに上回る評価を得ている選手は誰がいるのだろうか。
今年の候補でまず名前が挙がるのが度会隆輝(横浜→ENEOS・外野手)だ。横浜高校入学前から天才的なバットコントロールには定評があったが、高校3年時はコロナ禍で多くの公式戦が中止になった影響もあってプロ志望届を提出しながら指名は見送られた。しかし社会人きっての名門であるENEOSでも早くからレギュラーを獲得すると、2年目の昨年は都市対抗で4本塁打を放ってチームを優勝に導き、MVPにあたる橋戸賞を受賞。
今年は厳しいマークもあって都市対抗本選では2試合で1安打に終わったが、それ以外の大会では安定した打撃を見せている。また守備や走塁に関しても高校時代と比べて明らかにレベルアップしたこともプラス材料だ。数少ない即戦力が期待できる野手であり、1位指名の可能性も高いだろう。
大学4年生で順調な成長を見せてきた選手では上田大河(大商大高→大阪商業大・投手)の名前が挙がる。高校時代は全国的にはそこまで名前が知られていたわけではないが、当時から140キロ台中盤のスピードをマークしており、3年春には近畿大会でも好投。大学の付属高校で早くから進学が決まっていたためスカウト陣は完全に静観モードだったものの、もしプロ志望であれば十分に支配下で指名される実力の持ち主だった。