その野球センス、身体能力の高さから、外野手としてもレギュラーが狙えそうな内山だが、開幕前に「やっぱりキャッチャーでレギュラーを獲りたいっていうのが一番。そのための外野だと思ってるので」と話していたように、見据える先にあるのは次代の正捕手。2015年のWBSCプレミア12で侍ジャパンの正捕手を務めた経験を持つ嶋基宏バッテリーコーチ兼作戦補佐も「キャッチャーとしてあれだけ打撃があって、肩の強さとかもあるんで、普通に成長していってくれれば日本を代表するようなキャッチャーに必ずなれると思う。そういう意識で彼にはやってほしいという話はいつもしている」と、大きな期待を寄せる。

 他にも、投手ではドラフト1位ルーキーの吉村貢司郎、入団3年目で支配下登録を勝ち取った丸山翔大、野手では高卒4年目の武岡龍世、大卒3年目の並木秀尊などが、今年は一軍の舞台で大いに経験を積んだ。若い彼らがこれを生かしていけるかどうかも、来シーズンの巻き返しのカギの1つになりそうだ。(文中の今季成績は9月19日終了時点)

(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。

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