AIに任せられる作業か、人間が必須か。さまざまなジャンルで「専門性」の見直しが進みそうだ(gettyimages)

 NHK甲府放送局のラジオ第1放送では2019年に、気象庁から配信される気象データをもとにAIが原稿を自動作成し、合成音声で読み上げる試験放送を行ったそうです。これまで実際にアナウンサーが読んだ膨大な気象情報から、文脈に応じた間の取り方やイントネーションを学習。従来アナウンサーがしていた原稿作成と読み上げをAIが行うもので、早期の実用化を目指すそうです。

 今後は機械で行う発信と、生身の人間というメディア(媒体)が必須の表現との違いを見極め、それに対応した専門性の見直しが急速に進むでしょう。時代の変化の中で、新たにどんな才能が育つのか、楽しみです。

◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。

AERA 2023年9月18日号

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