移籍を視野に入れた時、寒暖差が少なく過ごしやすい気候で知られるサンフランシスコに拠点を置くジャイアンツも有力候補になるだろう。今年はナ・リーグ西地区で首位のドジャースに大差をつけられた2位につけている。通信社の記者は「伸び盛りの若手が多く大きな可能性を秘めたチームです。ドジャースのように完成したチームではなく、ジャイアンツのような発展途上のチームの方が大谷は魅力を感じるのでは。投打の軸となるスーパースターが欲しい球団なので、今オフは大谷争奪戦に参戦する可能性が高い」と力説する。

 豊富な資金力で言えば、ヤンキースやメッツも移籍先の有力候補に目されているが、コンディションを整える環境を重視する大谷にとって、肌寒く住み慣れていない東海岸の球団で故障のケアを行うことはイメージしづらい。

 FAでの去就が注目されるが、大谷のエンゼルスでの戦いは続いている。トロイ・グロースが00年にマークしたシーズン47本塁打の更新は確実視されているが、49本塁打を打てばメジャー通算176本塁打で、松井秀喜氏(現ヤンキースGM特別アドバイザー)の175本塁打を超え、日本人メジャーリーガー新記録を樹立する。松井氏は10年間かけて築いた数字だが、大谷は6年目で超えることになる。

 次々と記録を塗り替えることが話題になるが、大谷はチームの勝利に貢献するために試合に出続けている。たとえ、プレーオフ進出の灯が消えても、その姿勢は最後まで変わらないだろう。エンゼルスでプレーする勇姿は来年も見られるか――。

(今川秀悟)

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