身を粉にして試合に出続けていただけに、今年もプレーオフ進出が厳しくなった大谷のショックは大きいだろう。耳を疑ったのは球団の対応だった。日米のメディア報道によると、日本時間27日のメッツ戦の試合前、エンゼルスのミナシアンGMが「(ケガの)少し前に検査を提案したが、大谷と代理人はそれを断った」と発言したという。
悪者にしたと誤解されかねない
米国駐在の通信員は、こう振り返る。
「大谷がケガをしたことについて、球団の管理体制に批判の声が高まっていた。自分たちに非がないことを主張したかったのかもしれないが、球団内の機密情報を明かして大谷を悪者にしたと誤解されかねない。選手を守るべき球団フロントが発言すべき内容ではなかった」
ミナシアンGMの発言は大谷の耳にも当然入っているだろう。NPBの外国人選手の代理人を務める球界関係者は、「大谷のケガを巡る球団の対応はFAの動向に影響する」と強調する。
「代理人の立場とすれば、GMがこのような発言をする球団と長期契約を結びたくないでしょう。エンゼルス残留か、他球団に移籍か最終的な決断を下すのは大谷ですが、今のフロントはチーム強化のビジョンが見られない。来季以降もプレーオフ進出できない暗黒時代が続く可能性があり、優勝争いが実現するチームでプレーしたいなら移籍という選択肢を当然考えるでしょう」