通算117勝をマークした小宮山悟(現早大監督)も芝浦工業大学柏高から2年間浪人して早大に進学している。六大学通算20勝をマークし、ドラフト1位でロッテに入団した。1492連続試合フルイニング出場の世界記録を持ち、広島、阪神で通算2539安打、476本塁打を記録した金本知憲も広陵高から1年間の浪人生活を過ごし、一般受験で東北福祉大に進学。1年からレギュラーとして活躍し、ドラフト4位で広島に入団している。

自分を見つめ直す良い機会

「浪人したケースは様々ですが、プロで活躍している選手の共通点は意志が強いこと。選手としての技量は当然高いですが、絶対にプロの世界で成功するというハングリー精神が他の選手とは違う。勝児は残り1年半が高校生活は自分を見つめ直す良い機会だと思います。本当にプロの世界に行きたいのか、その夢を叶えるための強い覚悟はあるのか。慶大に進学して野球部で4年間ベンチ外の可能性もある。プロ野球を目指すことだけでなく、色々な選択肢がありますから。清原さんや家族の助言もあるでしょう。もちろん、個人的には野球を続けてほしいですよ。甲子園でも感じましたが、打席に立つと独特のオーラがある。持って生まれたスター性でしょうね。5年後にNPBに入る夢が叶ったら、凄いストーリーです。道は険しいかもしれませんが、ワクワクしますよね」(スポーツ紙デスク)

 甲子園で「清原」の名前がコールされた時、野球ファンの胸が高鳴った。夢の続きは見られるだろうか。

(今川秀悟)

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