セ・リーグでは阪神、パ・リーグではオリックスが一歩抜け出し、いよいよペナントレースも最終盤を迎える時期となった。毎年のことではあるが、シーズン前の予想、目論見通りに進むことはなく、オフの補強が上手く機能していない球団も少なくない。しかしその一方で、開幕前の期待はそれほど大きくなかったものの、意外な活躍を見せている選手がいることも確かだ。6月のこのテーマの記事では関根大気(DeNA)、細川成也(中日)、頓宮裕真(オリックス)、西村天裕(ロッテ)の4人を紹介したが、今回はさらに追加で4人を取り上げる(成績は8月27日終了時点)。
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投手では現役ドラフトで獲得した大竹耕太郎と3年目の村上頌樹がブレイクした阪神。野手で大きなプラスとなっているのが木浪聖也だ。ルーキーイヤーの2019年には113試合に出場して95安打を放つ活躍を見せながらも、それ以降は年々成績が下降。昨年はわずか19安打に終わったものの、岡田彰布監督の就任をきっかけに鮮やかに復活。97安打、打率.290は12球団のショートの中でもトップの数字となっている。
また守備面もあらゆる指標で突出した数字を残しているわけではないが、リーグ平均を上回っており、堅実なプレーが光る。阪神は鳥谷敬がレギュラーを外れてから内野の守備は大きな不安材料となっていただけに、この木浪の活躍はまさに嬉しい誤算であることは間違いない。またセカンドにコンバートとなった中野拓夢も成績を落とすことなく持ち味を発揮していることも大きい。シーズン開幕前は不安視する声もあったが、岡田監督の思い切ったコンバートは大成功だったと言えるだろう。
セ・リーグ3連覇を狙いながら、中日と最下位争いを演じているヤクルト。特に投手陣が苦しい状況だが、その中で奮闘を見せているのが小沢怜史だ。2015年にドラフト2位でソフトバンクに入団。しかし選手層の厚いチームでなかなか結果を残すことができず、2020年限りで自由契約となり、12球団合同トライアウトを経て育成選手としてヤクルトに移籍することとなった。一昨年のシーズン途中からサイドスローに転向すると、課題だった制球力が向上。昨年はプロ7年目にして一軍初勝利もマークしている。