キャンプ、オープン戦から持ち味のスピードと守備力をアピールして開幕一軍を勝ち取ると、藤岡裕大とショートのレギュラー争いを演じ、チーム3位となる8盗塁をマークするなど存在感を示している。そして嬉しい誤算と言えるのが打撃面で、43安打を放ち打率.276をマークしているのだ。守備と走塁は通用するが、1年目は打撃に苦しむと感じていた関係者も多かったはずで、この数字は大きなインパクトと言える。またここ数年成績を落としていた藤岡に刺激を与えたという点も大きい。残りのシーズンでもしっかりアピールして、レギュラー獲得をさらにアピールしたいところだ。
冒頭でも触れたようにシーズンも終盤だが、優勝やクライマックスシリーズ進出争い、さらにはポストシーズンでも突如ラッキーボーイが出てくることも少なくないだけに、シーズン最後まで“嬉しい誤算”となる選手が登場することを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。