
「一番成長したのは、打撃ですね。2年生までは打ってもホームランになるイメージが湧きませんでしたが、3年生になると打球が強くなって長打も出るようになり、自分の感覚としては『中距離打者』という意識でプレーしていました」
甲子園で輝くことはなかったが、野球を始めた頃から夢に描いていたプロ野球から熱い視線を注がれる選手となった。その能力の高さは、福岡ソフトバンクホークスからの1位指名で証明される。
「正直、育成選手でもプロに行けたらいいなと思っていたんですが……。夏の大会を終えて、ドラフト会議で1位指名を受けた時は、過去一番の驚きでした」
プロ1年目の2023年シーズン。イヒネは黙々と歩を進めている。「健康で丈夫な体」を求めて、トレーニングの日々を送る。体の使い方、キャッチボールやノックと、基本的なことを一から見直しながら、技術も高めている。6月27日には、4軍での交流戦(下関)で九回に代打で出場して実戦デビューを果たした。プロでの第一歩をかみしめた。
同じプロの世界で戦う同学年の選手たちに対しては、「試合で活躍する姿を見ればうらやましいと思うところもある」と言う。ただ、「僕は僕なんで」と言うイヒネは、足もとを見つめて自身と向き合うのだ。思えば、高校時代もそうだった。