全国の舞台には届かぬも本格派投手として期待される(写真=日刊スポーツ)
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 甲子園を沸かせた高校野球のスターも、聖地の土を踏めなかった球児も今、同じスタート地点に立っている。昨秋のドラフトを沸かせたプロ野球新人選手の声をお届けする。「甲子園2023」(AERA増刊)の記事を紹介する。

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 投手として決して早くから全国に名をとどろかせていたわけではない。

 甲子園出場のない苫小牧中央の「特進コース」で大学進学を目指して学び、成績は学年トップ。中学時代から読書を趣味にしてきた。

「サスペンスが好きで、湊かなえさんの『夜行観覧車』や、最近では『リバース』が面白かったですね。本を読んできたおかげなのか、テストで一番点数が取れたのは国語ですが、好きなのは数学でした」

 そんな優等生に転機が訪れる。

 2年生の夏の南北海道大会初戦。優勝候補の北海戦に先発し、4四死球4失点で二回途中に降板した。

「先輩たちの最後の夏に先発させてもらって、人生で一番緊張した試合でした。思うように体が動かず、自分の失点だけの2−4で負けました。悔しかったし、このままじゃダメだと思いました」

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