第105回全国高校野球選手権記念大会が8月6日に開幕した。地方大会を勝ち抜いてきた49代表チームの中から、今大会の注目の選手を紹介する。AERA 2023年8月14-21日合併号の記事を紹介する。
* * *
甲子園常連校や強豪校が早々に敗退するなど、番狂わせと形容される試合が相次ぎ、劇的な試合展開も多かったこの夏の甲子園地方大会。目立ったのは試合終盤での逆転劇。猛烈な暑さが土壇場での集中力を奪うということもあっただろうか。
全国最多40回目の選手権出場を決めた北の古豪・北海(南北海道)。4番に座る熊谷陽輝はピッチングも光る。今年オープンした北海道日本ハムファイターズの本拠、エスコンフィールドで優勝を決めた。
大谷翔平(エンゼルス)、菊池雄星(ブルージェイズ)などメジャーリーガーが輩出している花巻東(岩手)。世代最強スラッガーとして注目の佐々木麟太郎は、広陵(広島)の真鍋慧、九州国際大付(福岡)の佐倉俠史朗とともに「高校ビッグ3」と呼ばれ注目を集めている。
神奈川代表は強豪・横浜相手に九回、渡邉千之亮の逆転3点本塁打で勝利を決定づけ、選抜に続き出場を決めた慶応。毎年注目を集める大阪代表は決勝で宿敵・大阪桐蔭を完封した履正社。昨夏覇者の仙台育英(宮城)は連覇を狙う。
今年は夏の甲子園でも声出し応援が解禁となった。吹奏楽など、アルプススタンドを彩る応援も見ものだ。
■佐々木麟太郎(花巻東(岩手)・内野手・3年)
ささき・りんたろう/高校通算本塁打140本の世代最強スラッガー。父は大谷翔平らを指導した同校の佐々木洋監督
■渡邉千之亮(慶応(神奈川)・外野手・3年)
わたなべ・せんのすけ/強豪揃いの神奈川大会で東海大相模、横浜相手に本塁打。部訓は「Enjoy Baseball」
■山田脩也(仙台育英(宮城)・内野手・3年)
やまだ・しゅうや/昨夏、東北勢初の甲子園優勝を遂げた同校の主将。打率6割超で天才肌のショート
■東恩納蒼(沖縄尚学(沖縄)・投手・3年)
ひがしおんな・あおい/最速140キロ台半ばの右腕。スライダーやチェンジアップなど変化球も冴える
■真鍋慧(広陵(広島)・内野手・3年)
まなべ・けいた/「広陵の(バリー・)ボンズ」と呼ばれる強肩・俊足のスラッガー
(編集部・秦正理)
※AERA 2023年8月14-21日合併号