2023年夏も半分ほどが過ぎた。AERA dot.では、猛暑の中でも読みたい「上半期で読まれた記事ベスト10」を紹介する。7位は「日本ハム、新旧本拠地が“共倒れ”の予感も エスコン「高すぎ」 札幌D「黒字化無理」の声」(5月6日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま)
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今年から開場した日本ハムの本拠地・エスコンフィールド北海道(以下エスコン)には早くも空席が目立っている。また、日本ハムが昨年まで使用していた札幌ドーム(以下ドーム)もイベント日程が埋まらず苦戦しているように見える。このままでは北海道の2つの箱が“共倒れ”になりそうな気配すら漂っている。
エスコンは建設の決定段階から大きな話題となり、マスコミが連日取り上げることで一種の社会現象とまでなった。新球場への興味は全国へ広がり、3月30日の日本ハム開幕戦(楽天戦)が各球団から1日前倒しで行われる特別措置まで取られた。
「何でそんなことしたんだろう?日ハムだけ。新球場オープンのために?足並みそろえてスタートして欲しいけどね」(野球解説者の中畑清氏/ニッポン放送『徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー』)
中畑氏の真意はわからないが、日程にまで賛否両論が出るほど世間的な注目度は高まった。しかし満員近くまで埋まったのは開幕カードのみ。4月14日からの西武3連戦は週末にも関わらず平均約2万4000人にまで観客数が下落。初の平日開催となった18日からのロッテ3連戦は平均約1万6000人程度で2万人にすら届かなかった。
「シーズン席とVIP席の売れ行きは好調だったが、一般席は試合によっては即完売ではなかった。春先、寒い時期の平日は多少の空席が出ることも想定されていたが、ここまで早い段階で客足が鈍くなるのは想定外。正直、出鼻をくじかれたように感じる」(日本ハム担当記者)
エスコンのある北広島市は札幌市から約20kmの場所であることに加え、JR最寄駅からは約2キロ離れている。3万人以上収容の球場に対して約4000台の駐車場数も十二分とは言えない。アクセス面での心配はされていたものの、新球場への関心の高さでカバーできると思われていたが……。
「北海道全体の景気の悪さも想像以上。コロナ禍もあり生活が苦しい人は多い。他球場に比べてチケット代が高く、一般席の売れ行きが鈍いと言われている。また球場内飲食、グッズもかなり高額。シーズン席やVIP席を購入するような人たちには関係ない話だが、ライトな一般ファンにとっては死活問題でもある」(大手スポーツマーケティング関連会社)