エスコンの一般販売されている最高額チケットが1階フィールドレベルの12000円、最も安い席がライト3階スターレベルの2500円。東京ドームの巨人戦では最も高いS席が6800円、最も安い2階のD席が2000円ということを考えても割高感を感じる。

「もちろん築35年が経ち、時代遅れ感もある東京ドームとは単純比較できない。エスコンにはサウナ施設など、野球以外にも見どころが多く付加価値は高い。しかしアクセス面では圧倒的に負けている中で、価格設定が強気過ぎるという声があったのも事実」(大手広告代理店関係者)

 東京ドームは東京のど真ん中、仕事帰りにも気軽に行ける場所にある。一方、エスコンはアクセス面で完全に負けているが、それでもチケット代金は高く設定されている。今後チケットの価格については、検討する項目の1つであることは間違いなさそうだ。

「チームが勝てないのも不入りの原因の1つ。素材の良い若手選手は多いが、現状では経験不足が否めない。勝率が5割を大きく下回り、下位に沈んでいる。球場が素晴らしくても地元球団の勝利を見られなければ、足を運ぶための動機が下がってしまうのは無理はない」(日本ハム担当記者)

 マイナス要因が噴き出し苦戦の船出となったエスコンだが、賛否両論が語られるのは注目の裏返しとも言える。

 一方、対照的に昨年までの本拠地であった札幌ドームはどうなっているのだろうか。

「ドーム側の日本ハムに対する強行姿勢が本拠地移転を招いたため、悪者となって各方面から叩かれた。エスコンには夢が溢れていると思われたが、蓋を開けてみると問題が山積み。日本ハムとエスコンが叩かれ始め、ドーム関係者は逆風が弱くなってホッとしているはず」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 ドームでの日本ハム戦では使用料が発生し、球場内での広告や飲食の収入もドーム側に入る契約で、年間20億円超とも言われていた。条件変更のため話し合いを重ねたが決裂し、新球場のエスコン建設を決断することにつながった。ドームは日本ハムが去った後も「他イベント開催によって経営には問題ない」という姿勢を貫いていたが、野球ファンや市民からは多くの反感を買っていた。

「(日本ハムが去った後は)苦戦しているのは明白。サッカー(Jリーグ)を経営の柱と考えているようだが、年間70試合近くある野球に比べサッカーは20試合程度と元々の数が少ない。高校野球、サッカーなどの開催は決定しているものの、他イベントも現時点で決定しているものは多くなく、先行きは明るくない」(大手スポーツマーケティング関連会社)

「球場内の広告看板は、サッカーのテレビ中継に映り込む場所以外は多くが撤退してしまった。これまでも音響があまり良くないと言われていた箱だけに、コンサート開催が激増するのも考えにくい。この状況でどうやって黒字経営となるのか……」(大手広告代理店関係者)

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北海道の2球場は今後どうなっていくのか…