現役の兄弟選手といえば、田中広輔(広島)、俊太(DeNA)の両内野手がおなじみだが、過去にも、プロ野球界には数多くの兄弟選手が存在した。史上最強の兄弟は誰と誰か?ファンの記憶に残る兄弟選手を振り返ってみた。
【写真】「想像を絶する」とコーチも酷評 プロ野球史に残る“ザル守備”を見せた選手がこちら
まず実績面で際立っているのが、歴代トップ通算400勝の金田正一(国鉄-巨人)と通算128勝の留広(東映・日拓-ロッテ‐広島)兄弟だ。2人合わせて528勝は、兄弟の投手ではもちろん史上最多になる。
享栄商のエースだった正一は2年夏の県予選準決勝で敗退すると、「プロに入って家族を楽にさせてあげたい」と高校を中退、契約金50万円で国鉄に入団した。
その正一に学費などの面倒を見てもらった13歳年下の弟・留広は、日拓エース時代の1973年、「ウチの場合は兄じゃなくて親なんだ」と兄が監督を務めるロッテ戦で投げることを嫌がり、シーズン後にはトレード志願してロッテに移籍。翌74年は16勝で自身2度目のリーグ最多勝に輝き、兄が監督、弟がエースで日本一になった。
ちなみに金田兄弟は、1軍登板はなかったものの、正一の5歳年下の弟・高義(国鉄)、8歳年下の弟・星雄(同)もプロ入りしている。
金田4兄弟に対し、野口4兄弟として知られるのが、明(セネタース、中日など)、二郎(セネタース、阪急など)、昇(阪神)、渉(近畿日本軍)の4人だ。
投打二刀流の明は、打者として通算1169安打、61本塁打、572打点を記録する一方、投手としても1937年秋に最多勝の15勝を記録するなど、通算49勝を挙げた。
二郎も投手として延長28回を完投するなど、歴代11位タイの通算237勝。打者としても31試合連続安打を記録し、通算9本塁打、368打点と、大谷翔平以前の二刀流として傑出した成績を残している。
昇は42年に105試合フル出場をはたし、通算219試合で115安打、2本塁打を記録。渉も投打二刀流として26試合に出場。4人全員が1軍でプレーしたという点で、1軍出場2人の金田兄弟よりポイントが高いかもしれない。