「早く結婚しなさい」など自立を促しているように聞こえる言葉にも「いい子だから私の言う通りにするのよ」という真意が隠れています。
娘が反発するのはわかっています。それでもやめられないのは、たとえ口論になったとしても『何もないよりマシ』だから。ただし、本人はこのことに気づいていません。
母娘は「どうしてわかってくれないの!」と傷つけ合う
このような母娘は、物理的に離れていても心理的にはベッタリくっついた状態なので、相手が自分の気持ちをわかってくれて当然だという思いがどこかにあります。
だからこそ互いの主張が食い違うたびに「どうしてわかってくれないの!」とイライラがつのり、傷つけ合ってしまいます。
人間は傷つけられると必ず仕返ししたくなります。どちらかがストップするまで報復の応酬は永遠に続きます。祖母から母、母から娘、娘から孫へと世代を超えて受け継がれるケースも少なくありません。
母娘の確執をこじらせないためには「そういうことをされると私は傷つく」と、お互いが率直に自分の気持ちを伝える必要があります。
しかし、私たちの多くは“本音を伝える言葉”を知りません。成長過程で本音を言って怒られた経験が心の傷となり、いつのまにか自分の気持ち(感情)自体がわからなくなっているのです。
(構成 生活・文化編集部 端 香里)