「台湾有事=日本有事」がごく普通に語られるようになった。
【象徴的?】「バイデン大統領に首根っこをつかまれた岸田首相」と話題になった写真はコチラ
米軍関係者を中心に台湾有事が2027年末までに起きるという説がある。
ここでは、どちらが正しいかという議論には立ち入らない。
現実には、自民党のような軍拡論者の集まりでは、台湾有事に備えるためにも、あらゆる政策課題の中で軍事を最優先せよという議論が席巻している。
だが、彼らは、台湾有事の際に最も重要な在台湾の邦人の避難をどうするかについて何も準備していない。同様に、沖縄でもまともな住民の避難計画がなく、シェルターもない。5月31日の北朝鮮のミサイル発射の際には、Jアラートを発出しながら、暴風雨を恐れて先島諸島ではミサイル迎撃用のPAC3を展開していなかったことがわかり、とんだ笑い話になった。
彼らは、心の底では、台湾有事が起きる可能性は低いと思っているのだろう。
では、なぜここまで声高に「台湾有事」と叫ぶのか。
それは、大量の武器を米国から買い、また国内の武器産業に資金援助する口実にして、これらの利権で儲けようというのが最大の動機だと思われる。
さらに、時の首相にとっては、米国大統領にゴマをすり、世界の列強のリーダーの一員だとして持ち上げてもらうことが、自己承認欲求を満たす最高の手段になっている。トランプ大統領との自撮りツーショット写真を自慢した安倍晋三元首相も酷かったが、岸田文雄首相も同類だ。
いずれにしても、台湾有事が米中戦争に発展し、それに日本が参戦すれば、どんな形で国民の命が奪われるのかという最も重要なことをスルーしながら、ただ単に武器を買い揃えるための資金集めだけに精を出しているのが現在の政府自民党であることは確かである。
今回は、そういう無邪気な主戦論者たちが気づかないうちに、実は、武力侵攻など仕掛けるはずがなかった中国を、どうしても台湾有事を起こさざるを得ない状況に追い込むことに日本が加担しているということを解説してみたい。