※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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年齢を重ねると気になる加齢臭――。加齢臭と別に「オヤジ臭」もあり、原因もにおいも別だそうです。体臭の多くは汗に関連しており、汗をかきやすい夏は要注意です。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が汗と関連した体臭について解説します。

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 自分の体臭はどの年齢の人も気になるものです。若いうちは、汗や脇のにおいが気になり、年齢を重ねると加齢臭が気になります。体臭の多くは汗に関連しており、寒い冬より汗をかきやすい夏のほうが目立ちます。今回は、汗と関連した体臭に関して解説したいと思います。

 まず、汗をかいた後に感じる酸っぱいにおい。これは、汗そのものが酸っぱいにおいがするのではありません。汗と一緒に排出される乳酸という成分が、皮膚にいる常在細菌叢(そう)によって酢酸という成分に分解されるため、特有のにおいを発します。酢酸といえば、小学校の理科の実験でにおいをかいだ人も多いでしょう。あの酸っぱいにおいの酢酸です。乳酸を含む汗そのものが臭うわけではなく、皮膚の細菌によってできる成分の酢酸によって臭うのです。

 この汗に含まれる成分の乳酸は、ほかにも別のにおいの原因となります。それは「オヤジ臭」と呼ばれる古い油のにおいです。30代をすぎると少しずつオヤジ臭が出るようになりますが、それは汗の中の成分の乳酸が、皮膚の常在細菌叢によってジアセチルという成分に変わり、このジアセチルがオヤジ臭の原因となります。

 さて、そうなると酸っぱい汗のにおいやオヤジ臭を改善するためには、汗の中の成分である乳酸を減らすことと、皮膚の細菌叢に悪さをさせないことが重要となります。まず、乳酸ですが、これは疲れたりストレスがたまったりすると血液中に増える成分です。血液中の乳酸が汗として排泄され、これが皮膚にいる細菌と反応して酸っぱいにおいやオヤジ臭を作ります。

 現代社会では難しいことですが、なるべくストレスをためない、リフレッシュをすることが、嫌なにおいを抑えることにつながります。そして、皮膚の細菌叢をきれいに保つために、普段から清潔にすることも大事です。汗をかきっぱなしで放置するのはにおい対策としてはよくありません。すぐに洗い流したり、タオルで優しく拭き取ったりするのが重要です。

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「加齢臭」は「オヤジ臭」とは別の成分が原因