AERA 2023年7月24日号より
AERA 2023年7月24日号より

■心を整理し未来を作る

 次にその目標を達成するための具体的なアイデアを考える。この時に活用するのが「マンダラチャート」という名前でも知られているシートだ。大谷選手が高校1年の冬、このシートに「8球団からドラフト1位指名」との旨の目標を書きこんだ。

 目標を中心のマスに書き、その達成のために必要な要素を周りの8マスに、その要素を実現する具体的な行動を64マスに書く。クローバ経営研究所の松村寧雄氏が開発したマンダラチャートをもとに、原田さんが独自に作り上げた「オープンウィンドウ64(OW64)」だ。

「目標を整理して、自分の未来を作るシートです」(同)

 大谷選手の図を見ながら、シートの書き方を見てみよう。

 (1)中心に目標を書く(「ドラ1 8球団」)/(2)この目標の周りに、目標達成のために必要な八つの思考(「体づくり」など)を足していく/(3)さらに、これらの思考に対して、より具体的に行動すべきことを八つずつ書き、64マスを埋めていく。

「目標というと、優勝といった形あるものをイメージするかもしれませんが、親孝行をしたいという夢でもいいのです。むしろ、目標は、優勝のその先まで見通すといいと思います」(同)

「全国大会で優勝」が目標なら、なぜ優勝したいのか掘り下げてみる。原田さんは、目標の先にあるものを「目的」と呼んでいる。

「こういう目的意識は『内発的動機』です。外発的に強制されるものではなく、自分の内に湧き立った興味・関心なので、やる気が高まり継続します」(同)

 目標を達成するための八つの思考は、いわば柱だ。大谷選手が書いたのは「体づくり」「コントロール」「キレ」「スピード160km/h」「変化球」「運」「人間性」「メンタル」。どの要素を選ぶかで、実際にどう行動するかが変わる。

「パワーを出すには、体とメンタルが欠かせません。また、八つの柱は、すべて違う種類を書くのがポイントです」(同)

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