将来的に日本代表の中心選手になると期待されているFC東京の松木玖生
将来的に日本代表の中心選手になると期待されているFC東京の松木玖生
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 第2次森保ジャパンが始動した2023年、 A代表が親善試合を行う傍ら、世代別のカテゴリーでは、U-20代表がアジア杯(ベスト4)、W杯(グループリーグ敗退)を戦い、U-17代表はアジア杯で優勝を飾った。チームの結果云々はあるが、すでに知名度の高かったMF松木玖生(FC東京)、DFチェイス・アンリ(シュツットガルト)、FW福田師王(ボルシアMG)以外にも、新たな才能が次々と頭角を現して今後の“大化け”を予感させていることは確かだ。

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 U-20代表で大物の片鱗を見せたのが、U-20アジア杯で得点王に輝いたFW田直紀(FC東京)だ。2004年8月2日生まれの18歳。強靭な肉体を生かした力強さとゴールへの積極性、左足からのパワフルなシュートが武器で、公称181センチ、79キロだが、ピッチ上での姿はさらに大きく見える。

 プレーの“強さ”だけでなく、細かな技術と戦術的センスも持ち合わせている点も大きな魅力だ。U-20アジア杯で5得点(出場299分)をマークしながら、U-20W杯では出場3試合(スタメン2試合)で無得点と力を発揮できなかったが、希少価値の高い左利きの本格派ストライカー、久保竜彦を彷彿とさせる野生派の点取り屋として、大きなポテンシャルを持っている。

 もう一人、U-20代表ではMF福井太智(バイエルン)への期待がさらに高まった。2004年7月15日生まれの18歳。鳥栖アカデミーで育ち、16歳7カ月でトップチームデビューを果たして今年1月にドイツに渡った逸材は、今回のU-20W杯で3試合(スタメン2試合)に出場して2アシストをマークした。

 常に相手を見ながらプレーすることができ、インサイドハーフの位置から持ち前の視野の広さと落ち着き、優れたパスセンスで攻撃のリズムを作り、守備面での成長も目に付いた。すでにバイエルンのセカンドチームでは確固たる地位を築いており、欧州のトップクラブで実力を磨いている。どのカテゴリー、環境でも常に物怖じせずにプレーできるメンタル面の強さも大きな魅力だ。

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U-17にも期待の逸材たち