今井登茂子さん(写真:本人提供)
今井登茂子さん(写真:本人提供)

 そして一言、ちょい足しします。

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すてきなオフィスですね。
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すてきなオフィスですね。明るい気持ちになりました。
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 相手の心をつかむ、第二のあいさつに使えるネタはきっと見つかります。普段から周りを観察するようにしてみると、いざというときにスッとことばが出てくるようになりますよ。しかも、これがなかなかおもしろい。ぜひ一度試してみてください。

■もっともシンプルなほめことば

 素直に心から出たことばは、どんなにシンプルなひとことでも胸に響くものです。

 本当に「いいな」と感じたことは、そのまま「いいですね」と伝えてみましょう。

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この企画書、とても見やすいです
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この企画書、とても見やすいです。いいですね。
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「いい」はほめことばの基本。ひねりがないとか、カッコいいことを言わなきゃなどと考える必要はありません。しかも人や動物、ものなどすべてに使えて便利です。

 応用しやすいさら足しとしては、「とてもいいですね」「想像以上にいいですね」のように「どのくらい」いいのかを加える方法がひとつ。

 もうひとつは、「この水色がいいですね」「使いやすいサイズがいいですね」と「何が」いいのか、「どんなところが」いいのか、その対象ならではのよさに着目する方法があります。このさら足しでは、ほめたいことを「いいですね」の前に持ってくればいいのです。

 独り言のように「いいですね。」だけ小さな声で言うのもおすすめ。やや控えめな印象になるので目上の人にも使いやすく、心の声が思わず漏れてしまったようなリアリティもあります。

 ほめると、お互いにうれしい共感が生まれます。あまり人をほめることに慣れていなくても、このことばなら簡単ですし、シンプルだからこそ相手の心にも届きます。

(構成/三宅智佳)