職場の人間関係や雰囲気にストレスを感じている人は多い。しかし、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「実は『やめてもいい』ことにストレスを感じているケースも多い」という。考え方・行動を少し変えるだけでスーッと心が軽くなることも多いそうだ。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版社)から、仕事の心の疲れの原因になるNG言動を紹介する。
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頑張る自分に酔っていてはダメ。頼まれごとは自分の空いている時間内で受けると決めましょう。
上司に仕事を頼まれると「ノー」と言えない。どんなに自分がいっぱいいっぱいでも、うまく仕事を振ることができない。責任感の強い頑張り屋さんタイプの場合、1人で仕事を抱え込んでしまうことが珍しくありません。
しかし、その責任感がかえって仕事の効率を下げる原因になっているかもしれないのです。なぜなら、一人が同時にいくつもの仕事を抱え込むことは、クオリティの低下を招く、後輩や部下が育たない、緊急時に迷惑をかけるなど、大きなリスクを持っているからです。
仕事を抱え込みやすいタイプの人は、仕事を頼まれた際に「自分の空いている時間内でおさまる仕事量なのか」考えるクセを持ちましょう。仕事をたくさん抱えることで生じる『頑張る自分』に酔うことはやめましょう。
■「仕事のメール・LINEは即レスしなきゃいけない」は悪い思い込み
すべての案件に即レスするのは、やはり無理なこと。返信スピードは内容によって使い分ければいい、と考えましょう。
常に連絡がきていないか気になる、鳴っていないのに着信があったような気がする、という場合は着信過敏症になっているかもしれません。これは、スマホ依存の症状の一つ。休日や仕事が終わったあとは、できるだけスマホと距離をとるようにしましょう。
しかし仕事中では、そうもいかないことも。返信スピードの速さによって「仕事のやる気」を測られることもあります。とはいえ、すべてのメールやLINEに即レスが必要かといえば、そんなことはありません。