最近では、SNSを友人との付き合いだけでなく、その発信力を使って、仕事に活かしている人も多いため、ますますリアクションに気を使ってしまい、疲れてしまう場面も多いことでしょう。

 「しんどい、ツライ……」と感じることを毎日続けていると、ストレスが心身を蝕む可能性もあります。SNS依存の危機感を感じているのなら、一度距離をとりましょう。アカウントを消すのが難しいという場合は、まずは通知をすべてオフに設定し、一日使わない日をつくるだけでもOK。

 自分の大切な時間の使い方を見直し、SNSに費やす時間を、料理なり、ジョギングなり、自分の心地いい時間に利用しましょう。「いいね」を押し続けても、日常生活は充実したものにはなりません。

■「幸せそうな生活をしている人がうらやましい」

イラスト/うのき
イラスト/うのき

 幸せそうに見える他者と自分を比較するのは、人間社会の宿命のようなもので、いつの時代も幸福感にはかぎりがありません。特に、最近ではSNSの発達により、本来だったらよほど親しい間柄でないかぎり見ることのない、「他人の家」の生活を、ネット上で簡単に目にするようになりました。

 丁寧な食生活に充実したプライベート、結婚、恋愛、子育てに至るまで、毎日多くの人々が情報発信を続けています。しかし、幸せそうに見える生活はその家庭の一部分でしかなく、彼らが本当に「幸せ」かどうかはわからないのです。

 にもかかわらず他人をうらやんでしまうのは、自分自身が「不幸せ」な状態にあるか、何かコンプレックスを抱えているからかもしれません。そのせいで自分の満たされていない部分だけに焦点が当てられてしまうのです。他人をうらやむ気持ちを持つことは決して悪いことではありません。

「うらやましい」と素直に思うことで、自分が何に幸せを感じるのか知ることができ、その気持ちが原動力に繋がることもあります。ただ、見ているだけでツラくなってしまうようであれば、距離を置くことも大事。嫉妬してしまうような投稿を見ないという工夫をしましょう。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)