もしも、マウントをとることが快感になってしまっているとしたら、それは他人を見下すことで自分の不安を解消しようとしているのかもしれません。他人への競争意識に敏感で、承認欲求が強いタイプの人にありがちですが、実は自分に自信がなく、生活が充足していないからこそ、自分のほうが「上だ」というアピールに執拗にこだわってしまうのです。

 他人にマウントをとると、その一瞬は気持ちがいいかもしれませんが、相手にとっては不快なだけで、あとには友情も愛情も何も残りません。人間関係というものは、自分よりも上か下かで判断するものではありません。常に威圧的な態度では、豊かな人間関係の広がりはまったく期待できず、最後に待つのは孤独です。

 それを避けたければ、他者の心を思いやる想像力を持ちましょう。自分がされて嫌なことは、他人にしないこと。シンプルですが、それを心に刻んでください。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)