坂本勇人
坂本勇人
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 首位・阪神が失速して混戦となっているセリーグ。4位・巨人は阪神と5ゲーム差。数字上は逆転の可能性が十分にあるが、投打共に不安を抱えている。 

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「一番の痛手は坂本勇人が故障で戦列を離れたことです。調子を上げてきて替えの利かない選手になっていた。遊撃の後継者として期待される中山礼都、門脇誠は良い選手だが坂本の代わりにはなれないし、その水準のパフォーマンスを求めるのは酷です。巨人は小技やベンチワークで揺さぶるとかではなく、個々の選手の能力に頼った打線なので、主力不在が得点力低下に直結する。坂本は前半戦絶望の可能性が高いが、その期間に優勝争いに踏みとどまれるかが、大きなポイントになると思います」(スポーツ紙デスク)

 坂本は今月23日の広島戦(マツダ)で初回に二塁へ内野安打を放った際、右太もも裏を痛めて交代。後日に「右大腿二頭筋長頭肉離れ」と診断されたことが発表された。昨年は度重なる故障で83試合出場にとどまり、打率.286、5本塁打と不完全燃焼に終わった。巻き返しを誓った今年はWBCを戦う侍ジャパンのメンバーに内定していたが、シーズンに向けての調整に専念するため出場を辞退した。オープン戦14試合出場で打率.111、0本塁打、2打点と調子が上がらず、開幕後も22打席連続無安打のスランプでスタメン落ちも味わったが、5月以降はきっちり立て直して打率.270まで上昇した。スイングスピードの低下で飛距離が落ちていると言われていたが、10本塁打と不安を払拭。1番打者がなかなか固まらないなか、交流戦途中から坂本が固定されて打線が機能していたが、故障での離脱によりリードオフマンが不在となった。 

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