鎌田准教授は「仕事で直面している問題への意識だけでは、そもそもなぜその事業をやるのかというところまで目が向きません。しかし大学院で議論をするうちに、自社は何のために事業をしているんだろう?という疑問を持ち、会社や経営といったことを深く考えるようになります」という。
1学年約10人という少人数制で、学生同士の仲がよいのも特徴だ。修士論文となるレポートを書くにあたっては、1、2年次の学生と先輩の修了生を交えた中間報告会、提出後に合同報告会を開く。1年生も課題を提出するため2年生からアドバイスを受ける。修士論文は担当教員から真っ赤になるほど直され、論理が飛躍していないか、あいまいなところはないかなど考える力を徹底的に鍛えられる。修了生は実務に戻ると忙しさに流されがちだが、現役の後輩たちから刺激を受けて学びの意欲を取り戻す。
「修了生の活躍がこのプログラムの成果の一番の証明になります。観光業界にいる人が目指して来てくれるプログラムになるようにしたいですね」(福地准教授)
福地宏之 准教授(ふくち・ひろゆき)
一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻
2003年一橋大学商学部を卒業。09年同大学院商学研究科博士後期課程修了。同大学院商学研究科特任講師、東洋学園大学現代経営学部専任講師、准教授を経て17年から現職。現在の具体的な研究テーマは、組織構造とマーケティング戦略の関係、新興国市場への参入戦略と組織マネジメント、経営指標の組織的利用と戦略的意思決定の関係など。
鎌田裕美 准教授(かまた・ひろみ)
一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻
2007年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。同大学院商学研究科特任講師、国土
交通省国土交通政策研究所研究官、西武文理大学サービス経営学部専任講師、淑徳大学経営学部専任講師を経て、17年から現職。主な研究テーマは、観光客のリピート動機およびリピート行動の分析、観光地の住民態度研究。