◆まずは気になることから始めてみよう
いざ始めようとしても「仕事と学びの両立は大変では?」「何から始めたらいいの?」という人もいるだろう。自分に合った学びを探すには、文科省の委託で運営しリカレント講座について幅広く情報公開している学びのポータルサイト「マナパス」(https://manapass.jp/)が便利だ。利用者(マイページ登録者)の年齢層は30代から50代が多いが20代も一定数いて、若いうちから学び直しに興味を持っていることがうかがえる。
利用目的については「現職でのスキルアップのため」「就職・転職のため」などが多くなっている。ただ、仕事のステップアップばかりがリカレント教育の目的ではない。
菅原さんは「職業に直結する学びだけがリカレント教育ではありません。一般教養や文化的なものを学びたいというきっかけは全然ありで、リカレント教育の最初のステップとなり得ます」と話す。
冨山さんも「まず一歩踏み出してみることが大事です。大学の公開講座、公開授業、シンポジウムなど、ハードルの低いものから始めてみるのもいいでしょう」と勧める。
「新たな知識や、先生、仲間との出会いが、次の行動を後押ししてくれます。興味を持ったときに気軽に始めた学びによって、自分の将来が変わるかもしれません」
ただし大学院の修士課程(標準修業年限2年)のようにじっくり腰を据えて取り組む場合は、準備と覚悟が必要だ。
「修了するまで続けるためには、仕事や家庭の事情などライフスタイルと照らし合わせて検討することも必要です。自分自身の学びに対する目的意識はもちろん、修了要件、対面かオンラインかといった受講形式を事前に確認してください。また大学院や履修証明プログラムなどをウェブページでチェックするときは、募集定員や修了者数も調べましょう。修了生の声や活躍の様子が載っていれば、どう学んで、その先どうなるかがイメージできます」